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蛇の路

 私は床に塩を零した 塩は良くないものを清めてくれる、と よく聞くので 丁度良いかと放置した とてもよく知っている女性に会った 何故か名前は思い出せない 彼女は、とても楽であろう道を選んで その方へ歩みを進める そっちは蛇の路だ、絶対に駄目だ 名前も分からない彼女ではあるものの 言葉を伝えにくい私に、引き止める力などあるのか 考える前に、たどたどしくそれでも叫んだ 何も伝わらなかった 彼女はぬるま湯に浸かる様に、気持ちよさ気な笑みを浮かべる 私の背中は凍りつく こんなのは嫌だ 私は自分の路を行く 蛇の路に、彼女は今でも 心地よい笑みを浮かべているのだろうか 振り返り、彼女を見る勇気は 私には無い

腐食する鎖

 銀の鎖が切れたので 私が持っていた金具を使って繋いだ しかし、繋いだ金具が 銀の繋ぎ目を腐食させていった 私は、銀には適合しない金具を使ったのだろう 今の世の中はどうだ 何処かで似たような話しを耳にする 繋ぐものを違えて腐食させて仕舞わない様に